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日本におけるヘイト・クライム/スピーチの実態が国際社会にも知られ、改善の必要性が強く指摘されるようになってきた。
ヘイト被害を直視し、民主主義、人間の尊厳、法の下の平等を確保し、マイノリティの自由と人権を守るためにヘイト・スピーチを処罰する必要がある。
Ⅰ部「歴史の中の差別」では、第1章「歴史的課題と本書の構成」において現代日本のヘイト状況を点検し、第2章「植民地主義と人種差別」において植民地主義、人種主義、排外主義、ヘイト・クライム/スピーチの連環を問い直す。第3章「『慰安婦』へのヘイト・スピーチ」では日本軍性奴隷制をめぐる多様な歴史修正主義を批判的に検討する。
Ⅱ部「差別と闘う法理」では、第4章「ヘイト・スピーチの憲法論」において、日本国憲法におけるレイシズムの正体を探り、あるべき憲法論を展開した。第5章「地方自治体とヘイト・スピーチ」では公共施設利用問題を中心に、地方自治体がヘイトの共犯にならない方法を提示した。
Ⅲ部「反差別の比較法」では、第6章「反差別の法と政策」において人種差別撤廃条約第二条関連情報を紹介する。第7章「ヘイト・スピーチ法の制定状況」及び第8章「ヘイト・スピーチ法の適用状況」において人種差別撤廃条約第四条関連情報を提供し、今後の法的議論の手掛かりとする。
以上を通じてヘイト・スピーチ法に関する重要情報を詳細に提示し、まっとうな議論を始める出発点としたい。
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