力動性としての時間意識

力動性としての時間意識

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出版社
知泉書館
著者名
武藤伸司
価格
5,500円(本体5,000円+税)
発行年月
2018年12月
判型
A5
ISBN
9784862852885

時間とは何か。時計や季節,天体運動に関わる客観的な時間に対し,意識で体験される時間すなわち時間意識とは何か,これが本書の主題である。最もラディカルに時間を探究したフッサール現象学における時間意識論を精査し,意識の活動が時間意識的な構成を必然的かつ根源的に伴うことを解明する。
第Ⅰ部はフッサールの生涯にわたる時間論の核となる過去把持という特有な志向性を検討する。過去把持の理解こそフッサール現象学を理解する分水嶺であり,要の概念と言える。次に未来の意識構成に関わる未来予持という志向性を考察する。未来予持は時間意識の全体を構成する重要な要素であるだけでなく意識の発生に関わり,さらに無意識になされる感性的な領野への分析に導き,フッサールの中後期への思索の転換をもたらした。
第Ⅱ部はフッサール現象学を認知科学に応用したヴァレラの神経現象学を検討する。それは「現象学の自然化」を意味し,現象学で一人称的に記述された体験を,物理学や数学モデルで理解する試みである。著者は現象学の自然化の可能性を批判しつつ,現象学と認知科学との相互制約と相補性による共同研究を提案する。
時間意識の構成は意識自体の力動性として理解されるという独自の視点から,「時間とは何か」に応えた気鋭による最先端の業績である。

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