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本書は,「オイラー・ゲッター」という,幾何学,とくにトポロジー(位相幾何学)のアイデアをいくつか取り入れたゲームの作者でもある数学者による,特徴的な書籍である。ゲームという切り口から大学の数学科で勉強する数学を垣間見ていくことにより,数学の一味違った面白さを味わうことができる。
紹介するゲームはボードゲーム,カードゲーム,パズルゲームなどのローテク・ゲームが中心となっており,1940年代に登場したものから,21世紀に入ってから出現したものまで,幅広くとりあげられている。基本的に一つのゲームにつき,トポロジー,体,高次元空間,線形代数,射影平面,オイラー数,多様体,測度といった一つの数学のコンセプトを紹介していく。各章の終わりには,ゲームとは関係しないが,数学界での最近の大きなニュースや研究の実態など,大学数学や数学研究を少しでも身近に感じてもらえるよう,「コラム」を設けている。
高校までに習ったものと一味違う数学に触れる,大学や大学院で学ぶ数学の抽象的な理論がゲームの中で具現化されている様子を見るなど,読者それぞれのレベルに合った,数学の新鮮な楽しみや奥深さを感じることができるであろう。
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