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暴力なき革命は可能か?
明治維新について考えることがフランス革命を考えることにつながり、またフランス革命について考えることが明治維新について考えることにつながる──かつてそんな時代があった。
研究の進展と情勢の変化はこの結びつきをいつしか自明とはしなくなった。そして世代が経過するとともに、二つの革命を結びつけて考えていた時代の記憶は失われてしまった。
フランス革命史研究における正統派と修正派の論争、日本資本主義論争から戦後歴史学の展開を振り返ることによって、本書はフランス革命と明治維新を考えることが結びついていた時代の記憶を改めて提示したい。その後の研究の進展は、この布置を理解して初めて可能になる。
本書に収録した柴田三千雄と遅塚忠躬の幻の論考「日本の歴史学におけるフランス革命像」はこの問題を鮮やかに浮き彫りにしてくれる。
加えて、ピエール・セルナ、三谷博、渡辺浩、ピエール=フランソワ・スイリ、そして三浦信孝と福井憲彦の日仏の権威がフランス革命と明治維新の新たな見方を提示し、これからの革命のあり方を展望する。暴力なき革命は果たして可能か? マルクスには見えなかったものとは何か? 明治維新150年の記念碑。
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