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「この世界」を組み替えるためのアート
水族館劇場・桃山邑氏推薦!「死さえも、もてあそぶ――火吹き、鞦韆、獣たち。神話を甦らせる始原世界はサーカス天幕のなかにある。わたくしたちが藝能の本体と呼ぶ流浪の魔術的空間を、あらゆる資料を博捜して描いた一大文化史」。
文学、思想、美術、演劇、映画、アニメーション……あらゆる領野に遍在する「サーカス的なるもの」。本書は、その根源と彼方に向かい、文化史を書き換える未曾有のサーカス論である。これらの領野にみられる身体行為とサーカスのかかわりを、縦横無尽に論じてみせるこの博覧強記の著者は、幼少期をカブールで過ごし、放浪サーカス芸に親しんだことが、本書を書くきっかけになったと語っている。とはいえ、本書はたんにサーカスという芸術(アート)を礼賛するものではない。著者は、サーカスがいにしえより有する「バランスの力学」と「ノマド性」を強調し、「サーカスこそが今日の文化や社会を見直し、改変するためのモデル、世界を変えるためのモデルになりうることを、サーカスのさまざまなジャンルや演目を例に引きながら立証しようとしている」(「訳者あとがき」より)のだ。図版多数収録。
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