文字通りの「カオスと暴力の時代」五胡十六国を終わらせた拓跋部。なぜ彼らは,抗争に明け暮れる諸勢力を駆逐し,新しい秩序の誕生を促すことができたのか。本書は北魏後宮における「子貴母死(子貴ければ母死す)」制こそが,その秘密だと見抜く。皇帝位の継承順序の安定化をはかるために,あろうことか君主が自身の妻を惨殺するという,中国史においても人倫に悖るとされてきたこの制度こそ,外戚勢力を抑え抗争を最小化する秘密だったのだ。
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