取り寄せ不可
◆第一句集シリーズ/I
サガン読む果肉のやうな九月の部屋
「体のなかを言葉がとおってゆく。心を解き放ち、目にみえるものみえないものすべてを吸収したい。」ここに語られた彼女自身のことばこそが、この句集を味わう最適な助けとなることだろう。
(序・武藤紀子)
◆自選十句
かひやぐらボクを返してくれないか
夜のたんぽぽほどほどに難解です
白雨くる雨の顔した客がくる
からつぽの客席さつきまで夏野
かなかなやそろそろねぢを巻く時間
月の客とうにむかしの席にゐる
霧の橋愛くつがえすなんてそんな
鶴を見てひらがなのからだで眠る
雪蛍はぐれてしまふ神学部
聖夜とは捨てきれぬ片ピアスなり
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