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この本は学術専門書とは異なり、一般読者層に向けた、東地中海に浮かぶ未知の国キプロスを知る為の入門書です。それと同時に、普段は紋切口調で語られ勝ちのレバント(シリア・レバノン地域)やモスリム(イスラム教徒)といったテーマを、著者の低い目線による語りによって近く親しむノンフィクション、随筆、海外事情であります。是非、その方面に対して、これまで何となく敬遠勝ちであった読者にもお勧めしたい一冊です。 かつて貿易商であった著者が、香水瓶取引で絆を深めた元パートナーは、エジプト出身のモスリム(イスラム教徒)であった。こよなく酒と女性を愛した彼は「中庸こそがモスリムの真髄である」と主張し、真っ直ぐな信念を貫き通してキプロスで一生を閉じた。彼にとっては「宗教宗派の違いなど問題ない」と同時に、自らが求めるモスリムの姿に対する矜持に生きた。一方、その生き様を貫く為の多様性という風土を持つ地こそがキプロスであった。キプロスは東地中海の要衝、欧州とレバント・中近東の接点にあって、歴史上常に国際政治の荒波を被ってきた。 同時に、紛争地からの難民や移民にとっての駆け込み寺、シェルターともなってきた。 そこから見えてくるキプロスの風土と文化的メンタリティー。 移民排斥という潮流の中、民族の混沌と共に大海に漕ぎだすキプロスの姿は我々に何を語ってくれるのか。 強い信念に生きた一人のモスリムの生き様を背景に、知られざる国・キプロスの横顔が見えて来る。
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