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【画奇的な切り口による《怪異》の表現学!】
秋成や庭鐘、西鶴、綾足をはじめとして、漱石、鏡花、秋聲、そしてポオやボルヘス、ラヴクラフトなどを題材に、気鋭の近世・近代文学研究者たちが、《怪異》がいかに読まれ書かれてきたかを、これまでにない視点から解き明かす!
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――怪異は作者だけのものではない。「編む」という行為を通じて、多くの人々に開かれたものとなる。現代の我々が持つ印象とは別の怖さを、当時の読み手は感じていたかもしれない。また、優れた読み手によって、数百年にわたって埋もれていた作品の真の姿が露わになることもあるだろう。文学作品とも言いがたい断片と断片とが、読み手によって紡ぎ合わされることによって、怪異の容貌を浮かび上がらせれば、それはもう、読み手の創作と言えるかもしれない。
いっぽう怪異を「書く」とは、近世、近代においてどのような営みだったのか。怪談の名手の奥義は奈辺に見定められ、どのように説明できるか。また作者は、中国や日本の古典や伝説を踏まえて、いかなる独自の怪異を作り出したのだろうか。
こうした怪異をめぐる言葉のさまざまな可能性を求めて、近世文学、近代文学の研究者たちが論文の形で挑んだ。
(あとがきより)
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