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戦国期における豊前国の城・戦国大名・国人の人名・合戦を網羅した初の事典。
城跡614項目、人名3017項目、合戦251項目を収録。
古文書、歴史書、家系図、市町村史、報告書等から、豊前国の戦国期を調査。豊前を掌握せんとする大内・大友・毛利、その趨勢に翻弄される豊前宇都宮氏等各主要大名と家臣団、またその本城・出城・端城までを網羅。城跡編・人名編・合戦編の三部構成に年表を付す。
豊前国の城井宇都宮氏の祖となる城井信房が建久6(1195)年、豊前国地頭職に任じられ、下向して城井郷を本拠とした。城井氏は地頭職を基盤として成長し、野仲、成恒、山田、大和、如法寺、西郷、友枝、広津、佐田の諸氏を分出させた。とくに佐田氏は、下剋上の戦国時代を乗り切った稀有な存在となる。(中略)戦国期の豊前国には、約四百六十余りの国人が存在したと伝えられるが、それらのほとんどが戦国期に生まれた土豪であった。そうした土豪は西国の大内氏、豊後の大友氏という二大勢力の力関係に支配されながら、被官によって自らの領地と地位を保った。大内、大友の両氏が豊前国に魅力を感じ豊前支配に力を注いだのは、中国や朝鮮の交易地である筑前の博多という、枢要な地に至る国だからである。(本書「豊前国概略」より)
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