取り寄せ不可
「ハイブリッド戦」を理解せずにフェイクニュースを語ることはできない――。いまやネット世論操作は「産業化」している。そして、一方で日本でも進行する民主主義の危機はこの「ハイブリッド戦」への移行を意味しているのだ――。
フェイクニュースがここまで大げさな話になっていることには理由がある。ネット世論操作は近年各国が対応を進めているハイブリッド戦という新しい戦争のツールとして重要な役割を担っている。ハイブリッド戦とは兵器を用いた戦争ではなく、経済、文化。宗教、サイバー攻撃などあらゆる手段を駆使した、なんでもありの戦争を指す。この戦争に宣戦布告はなく、匿名性が高く、兵器を使った戦闘よりも重要度が高い。EU、アメリカ、ロシア、中国はすでにハイブリッド戦の態勢に移行している(あるいは、しつつある)。そのためフェイクニュース、ネット世論操作はハイブリッド戦という枠組みの中で考える必要がある。単体でフェイクニュースのことを取り上げても有効な解決策は生まれない。(略)本書ではハイブリッド戦を軸に多面的にフェイクニュース、ネット世論操作を考察したい。(「はじめに」より)
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