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わずかにわかりあえた瞬間にだけ
指先に触れた ごつい荒縄
潮をかぶった
綱手
かなしも
(「ジュリオ・ホセ・サネトモ」)
詩を脱ぎ捨てんと
「初夏(はつなつ)の海を/船がゆく/漂わず/浮かぶこともせず/詩を脱ぎ捨てんと/急ぐ船」(「黄金週間」)。
一人になって、裸になって家を出る。詩の焦土を踏みしめて書き継いだ、十数年にわたる試行から精選20篇を収める、待望の新詩集。装幀=中島浩
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