取り寄せ不可
毎朝、ボスから届く黄色い薔薇。
その花言葉は“友情”だけれど……。
著名な大富豪ディーコンに雇われ、住み込みの助手となったギャビー。
出入りが許されるのは、彼女の住居部分と仕事部屋だけで、
屋敷につながる扉には鍵がかけられ、雇い主は姿を見せない。
仕事の指示は電話かメールのみ。もどかしさを感じていたある日、
ギャビーは鍵があいていた隙に、扉の向こうへと足を踏み入れた。
ついに現れた彼は、写真や映像で見たのとは別人のようだった。
伸び放題のひげと髪に覆われて顔は見えず、その姿も声も、
まるで野獣のようで、わずかにのぞく瞳は暗く陰り謎めいている。
でもギャビーは不思議と恐れなかった。彼の心を開きたいとさえ思い、
彼女はひたむきに一歩ずつ、信頼を得ていった。
そしてあるとき、思いきって彼のひげ剃りと散髪を提案すると――
車椅子生活の父の医療費と生活費を稼ぐため、ギャビーは2つの仕事をかけ持ちしていましたが、とある事情でディーコンに雇われたのでした。彼女の一族と彼とのあいだに横たわる深い溝と運命、そして二人の切ない愛は、どのような結末を迎えるのでしょうか?
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