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後期フッサールの展開した,自我の関与を含まない受動的志向性を射程に入れた「発生的現象学」によって,すべての「意味と価値の生成(発生)」の探究領域が開かれた。それにより「自・他の身体の区別はどのように生成したのか」,早くも,遅くも,流れるように流れるという「生きた時間の謎」を問うことができるようになった。第Ⅰ部では「電車の急ブレーキで隣の人の足を踏んでしまった」という日常経験の事例の考察から,この他者論と時間論の二つの問題をその発生のプロセスにまで遡り解明していく。
第Ⅱ部では,ライプニッツの「微小表象」,メルロ=ポンティの「肉」概念,M. ポランニーの「暗黙知」と,「受動的綜合」をそれぞれ比較考察することで,その哲学史における位置付けを明確にし,発生的現象学のさらなる可能性を示す。
第Ⅲ部では,現代のグローバル化された世界,また日本社会の抱える具体的な諸問題に対し,発生的現象学が問題解決の端緒を示すことができるかを試みる。
本書は,発生的現象学における受動的綜合の原理的考察から,歴史的考察をへて,現代の諸問題への応用まで総合的に探究した画期的業績である。
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