フランス革命と産業革命を端緒に、18世紀末頃から芽生えはじめた女性解放思想が、男性の従属物としてあらゆる権利を制限されていた英国の女性たちをいかに突き動かし、参政権獲得という具体的目標に向けて形をとりはじめたのか。本書は、男女平等の人権を求めるメアリー・ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』刊行の1792年を起点におき、さまざまな史実や人物群像を描き出しつつ、英国で女性の普通選挙権が実現した1928年に至る道程を活写した古典的名著(原題The Cause)待望の初訳である。
著者のレイ・ストレイチー(1887-1940)はフェミニスト、アクティヴィストとして生涯を英国の女性運動に捧げる。運動の只中に身をおいた人物ならではの臨場感あふれる叙述、いかなる政治的立場にも拠らない伸びやかな視点で、ある時代の躍動感をいきいきと伝える。1928年初版の原典に日本語版オリジナルの詳細な訳注、女性史年表を付した歴史、女性史研究の必読書。
「改革が実現されるまでは、いうまでもなく多くの女性たちの協力と連帯があった。議会における選挙法改正案の成り行きに一喜一憂しながら懸命に努力する女性たちの熱烈な意志と懸命な努力に感銘を受けない者はいないだろう」(「訳者あとがき」)
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