西部劇論

西部劇論

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出版社
作品社
著者名
吉田広明
価格
5,060円(本体4,600円+税)
発行年月
2018年10月
判型
A5
ISBN
9784861827242

ジョン・フォードからイーストウッドまで――
ハリウッドにおける西部劇の歴史を総覧し、映画にとって、アメリカにとって西部劇とは何だったのかを明らかにする、圧倒的書き下ろし長篇評論!
西部劇は今、誰も知らなかった新たな相貌を見せる。
図版200点収録! 登場人物1000名以上! 670作品を紹介!

 終わりから見る西部劇。本書はそのようなアナクロニズムによって貫かれている。しかし、思えば西部劇自体がそもそもアナクロニックなものではなかったか。西部劇は西部開拓が終わってから作られ始めたいわば「時代劇」であって、始めからアナクロニックな存在である。また、その作品が作られた時代のイデオロギーが反映されている歴史修正主義的な西部劇も、時代錯誤をむしろ積極的に活用した一例である。(…)
 西部劇にはこのようなアナクロニズムが満ちている。我々が今、西部劇について語る意味があるとしたら、そもそもそのようなアナクロニズムに満ちた西部劇を、現代の視点で見るというアナクロニズムの冪乗を、創造的に働かせることにしかないだろう。そのとき、我々がとうに知っていると思っていた西部劇は、未だ見たことのないものとして新たな相貌を明らかにするだろう。これは、既知のものを未知のものとして奪い返す試みである。「序 西部劇――その既知を未知へ奪い返すために」より

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