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"序盤で量子化学の根底にある量子力学の成立・発展をていねいに解説した。最終的には構造化学や分光学まで扱う。全体に数式は多いが、豊富な例題や演習問題を理解の助けとしてほしい。長い目で見て必ず役に立つ本である。
本書は,量子化学の根底にある量子力学の成立・発展から、最終的には構造化学や分光学までを扱った量子化学の教科書です。苦手な量子化学を何となくでも理解させるために,数式を極力減らした本の出版が増加傾向にありますが,本書ではあえて数式をしっかりと示すことで,将来的にも役に立つ量子化学の基礎を身につけてもらうことを目指しました。ただし,本書では「なぜこの式が出てくるのか」という根本から説明するように努めましたので,最初からていねいに読み進めれば,学生1人の力でも理解できるはずです。
本書の第1章から第3章では,古典力学から量子力学の成立・発展までを概観しました。その時点で「何がわかっていなかった」のかを明確にし,量子力学誕生までの流れを理解できるように配慮しました.古典力学・量子力学は量子化学を学ぶ際の基礎となるため,数式を用いてしっかりとていねいに解説しています。
第4章,第5章ではシュレーディンガー方程式の解法およびシュレーディンガー方程式から得られる情報についてを詳しく述べました。
第6章から第9章では水素原子,多電子原子,二原子分子,有機低分子の電子構造に絞り,ていねいに記述しました.
第10章では「量子力学の知見がどのように熱力学を説明しうるか」に焦点を当て,統計熱力学について簡単に触れました.物理化学の授業の最終目標の1つは,熱力学と量子化学の統合的理解であり,それには統計熱力学が必要です.統計熱力学という大きな学問領域のごく一部を大学院入試で問われる範囲に限定して記述してあります.
第11, 12章では,さまざまな分光学において量子力学の知識がどのように役に立つか,そして実際にスペクトルをどう解釈するかについてまとめました。
物理化学を修得して自分のものにするには,お話を読むだけでなく演習が必要不可欠です。そのため,トピックごとにできる限り例題を入れ,さらに章末にはその章をまとめる問題を配して理解すべき事項がわかるようにしてあります.これらを解答できるようであれば,定期試験,大学院入学試験には十分対応可能です.
最近の量子化学の本とは逆行しているようなコンセプトの教科書ですが、長い目で見て必ず役に立つ1冊です。"
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