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心理療法の創始者たちが思い描いていた社会的ヴィジョン、
そして彼らの熱意と理想を振り返りながら、
世界中の危機的状況にあるコミュニティで深刻なトラウマを抱えた子どもたちに
試行してきた独自の箱庭療法の事例を紹介する。
南アフリカのスラム街から中国の大地震の被災地、コロンビアの紛争地域まで、
訓練された専門家が不足し、設備が整わない環境下でも、
イメージという非言語的プロセスに関わる箱庭療法の特徴を最大限に生かし、
効果的な心理的援助を可能にした卓抜な方法論の実践記録。
「本書に突きつけられている大きな問いは、次のようなものである。社会的な貧困状況において、心理療法は本当に役に立つのか。安全な住居や食糧、学校教育を確保せずして、心理的介入は許されないのか。栄養不良の子どもに心理療法から手を差し伸べられることはないか……。このような問題意識が、本書の扱うプロジェクト全体に通底している。」(本文より)
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