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2000年代に新しい貧困層が現れた。一見、キャンピングカー好きの気楽なリタイア族。その実、車上生活しながら、若者もひるむ過酷な現場を渡りあるいている人々がいる。多くはリーマンショック後に路上に出た。
彼らはなぜ伝統的なライフスタイルに背を向けたのか? 彼らを必要とする企業の思惑とは?
気鋭のジャーナリストが自ら車上生活をこころみ、三年にわたって数百人に取材、老後なき時代の現実をルポした。日本の明日を予見するノンフィクション。
まさか自分が放浪生活をするとは思いもしなかった人々が、続々と路上に出ている……(略)……
ものの考え方も見た目も、中流階級と大して変わらない。コインランドリーで衣類を洗濯し、フィットネスクラブでシャワーを使っている。リーマンショック後に貯蓄を失った人が多い。そしてガソリンタンクとお腹を満たすために、骨の折れる肉体労働に長時間従事している。賃金も上がらず住宅費も高騰するいまの時代を、家賃や住宅ローンのくびきから自由になることで食いつないでいる。彼らは日々、やっとのことでアメリカを生きのびているのだ。(まえがきより)
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