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オートポイエーシスという閉じた系の身体でありながら、意識が立ち上がるに際しては外部に連結する開口部を持たなければならないという矛盾。意識という現象はいったい何なのか。脳の働きとの関係はどうなっているのか。それは「私」という一続きの事態をどう成立させているのか。脳科学研究が「意識」の物質への還元を方向付ける趨勢に反駁したベルクソン、さらにドゥルーズの理論を参照し「私」の立ち上がる現場に迫る。
私の身体と私の意識。身体の生はオートポイエーシスという閉じた系であるのに、意識はそのつどの神経ネットワークを物質的基盤としつつも「私」が立ち上がるに際しては外部へと連結する開口部を持たなければならないという矛盾。脳科学研究が「意識」の物質への還元を方向付けるなか、20世紀初めにはベルクソンが反駁の理論を打ち立てた。
意識という現象はいったい何なのか。脳の働きとの関係はどうなっているのか。それは「私」という一続きの事態をどう成立させているのか。
精神病理学者である著者が、さまざまな症例を引き、ベルクソン・ドゥルーズの理論を参照しながら、「私」の立ち上がる現場を突き詰めていく。
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