社会学的思惟を革新したブルデュの主著《実践感覚》は、ここに完結した。
第一巻〈理論理性批判〉では、ブルデュ社会学の基本的諸概念(構造、ハビトゥス、実践、象徴資本)と、その諸概念を構成する彼の理論的構成法を記述する。それは、現象学から構造主義へ、実体主義的思考から構造・関係主義への認識論的旋回をめざし、伝統的社会学の思惟様式にレヴィ=ストロースの構造主義をも超える方向転換をもたらすものであった。
第二巻〈実践の論理〉は、前巻の理論篇に対するいわば応用篇である。ここでは、カビリアのアルカイックな社会の日常生活に見られる〈慣習的行動=実践〉が記述され、これらの諸実践が多様なハビトゥスを介して構造へと形成される。諸概念が具体的素材による例証を得、逆に日常生活の数々の実践が、概念によって照明されることで、新たな〈意味〉を帯びてくる。本巻は、認識論的な〈錯認〉〈否認〉を回避し、それが由来するメカニズムを含めて、社会的事象を描出しようとするブルデュの社会学的実証の到達点を示している。全2巻。
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