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こんなにも背後の夕焼けは美しいのに
ここにも、そこにも/たおやかな夕日が地に照り映えているのに。
呪われた火で/今も、ふるさとは燃えている。
(「火について」)
「彼は不思議な虚心をもって人や物や出来事をあるがままに迎え入れる。その凝視の底からある沈黙のしみとおったことばが身を起こすのである」(粟津則雄)。
震災後の福島の悲惨を、詩人はしずかに見つめてきた。人としての自然を奪われた理不尽な現実に抗う、魂の声24篇。
装画=宮崎進
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