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日中戦争が終結して「戦後」と呼ばれる時代が日本と中国に到来してから、すでに70年以上もの歳月が流れた。1972に日中は国交を回復したにもかかわらず、両国の間には歴史認識問題が存在し、両国の政治、外交、社会がしばしば揺さぶられる事態となっている。
日中双方の有識者がこれまで積み重ねてきた対話と共同研究をとおして明らかになったことは、「歴史認識を近づけることが可能な一方で、歴史事実の解釈をすべて一致させることは困難だ」という事実である。本書は、ここを出発点に、歴史認識の異同の中身を多角的に知ろうとする姿勢こそ両国の社会にとって有益である、との信念を実践するために編まれている。
本書は、日中戦争へと至った過程を、一つ一つの歴史事実を紐解き、それらを積み重ねていきながら、19世紀半ば以降の近代西洋を中心とするグローバル化の波がその後の日中両国の政治や経済、文化のあり方をどのように特徴づけたのかを総合的に説明したことが大きな特徴である。
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