取り寄せ不可
1年の契約結婚が終われば消える、
まぼろしのシンデレラ――
ソリティアは病母と学生の妹を抱え、亡き父の店を切り盛りしている。
ある日、家賃が引き上げられると知り、彼女は愕然とする。
店の2階に住んでいるため、家賃を払えなくなるということは、
家族もろとも路頭に迷うことを意味していた。
ソリティアはロンドンの一等地に立つ不動産会社へ向かうと、
世界を股にかけて活躍する大富豪実業家のゼイビアを前に、
どうか値上げをもう少し待ってくださいと必死に訴えた――
お宅の掃除でも、オフィスのお茶くみでも、なんでもしますから、と。
だが非情にも、ゼイビアはすべて間に合っていると一蹴したあと、
なおも懇願する彼女に言い放った。「今僕が必要としているのは、妻だ」
父の思い出がつまった店を守るためなら、何も厭わないと心に誓う苦労人のソリティア。一方、世界の美女と浮き名を流すゼイビアは、大伯母の遺言により、一族の館を相続するための条件として即席の妻を探しており、その期限が残り6週間と迫っていたのでした……。
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