初版の発刊以来早くも9年目を迎えました.これまで,多くの皆様から本書への御助言など頂き心より感謝申し上げます.
初版では,長寿社会を迎えて,高齢の薬の服用者が増加しつつある中,食生活で薬の使用(主に服用)が健全な栄養摂取を阻害する事例のあること,また,逆に食物が患者の使用する薬の効果を増減する事例のあることが明らかにされ,管理栄養士をはじめ食生活を介助する関係者がある程度,飲食物の摂取と薬の服用について適切な関係を知る必要があることを認識しました.また,わが国の経済活動の中核をなす働き盛りの中高年にメタボリックシンドローム(MS)の予備群が国民の20~30%も見られるということから,MS対策の一助としての抗肥満薬使用の現状について特集章を設けました.これらを踏まえて,多くの研究者の出版書を引用し,且つ,まとめる形で発刊しました.
改訂版は,近年,経済活動が停滞したことから経済活動の活性化をはかるため医薬品の販売規制緩和による流通の改善が図られ,一般用医薬品の登録販売者制度の導入やネット通販の促進が図られ,刻々と医薬品の販売体制が改革され,他方では,生命科学の飛躍的発展に伴い,創薬分野においても技術革命が進み,抗癌薬はじめ多くの新薬の登場を見るに至りました.しかし,改訂版では,薬事制度の改革の最中であって,これらの薬事制度及び新薬の状況を必ずしも十分に記載することはできませんでした.
今回改訂第2版では,薬事制度の改革が一段落し安定期に入ったことに連動して,著者を2人から3人に増やし,新薬の記載,並びに使用しなくなった医薬品の削除なども試み,30品目に及ぶ新薬を加えて教科書としての内容の更なる充実を図りました.
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