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■■第3回北海道文芸賞佳作受賞■■
老境にさしかかった山口和彦は、道北の小都市で小学五年から中学二年まで暮らした少年時代の同窓会に初めて参加し、札幌で四十数年ぶりに初恋の佐川宏子と再会する。
同窓会の翌日から利尻島の利尻山に登り、かつて過ごした町を訪ねて、横浜に戻った和彦は、宏子にその旅の様子を手紙で送る。宏子と文通を続けるうちに、北の町で身近に起こった殺人事件や、小中学校での出来事、近況等を語り合うようになり、和彦は引っ越していった時の様子や、あふれる北海道の自然や風物詩、戦後の時代風景、学校時代の同級生のことなどを鮮明に思い出す。 二人は一年後開催される同窓会での再会を約束する。今は登山を楽しむ和彦は、宏子に南アルプス北岳のキタダケソウの写真を送ろうと白峰三山の縦走に向かうが・・・。
昭和や、道北、登山など数多くのエピソードが織り込まれ、人生の日暮れに向かう心境が語られる忘れがたい物語
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人生の思い出は様々です。愉楽、悲哀、悔恨、懸命に生きた過去。やがて満足に縁どられた終焉を迎えることは出来るのでしょうか。沢山の思い出をカルタの絵札のように携えて、残された時を過ごすことができれば老いもまんざらでもないかもしれません。主人公たちのように、あなたも色々な自身の絵札を描いてみませんか。
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