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聖徳太子は、中国の南岳衡山から、前世所持の『法華経』を持ち帰らせた。
ところがそれは弟子の経であったため、夢殿に入定した太子は、自ら青龍車に乗って、衡山まで天翔けた―。
この衡山は、かつて達摩と慧思が対面した地であり、その慧思は聖徳太子に転生し、片岡山で達摩の化身の飢人と対面した―。
日本における聖徳太子伝の核心をなす、南岳衡山をめぐる太子伝説話を出発点とし、文献・儀礼・聖遺物・絵画など各方面から、古代・中世の聖徳太子信仰の諸相を描きだす。
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