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カントの法哲学は「批判的」か。
カントの最晩年の著作である『法論』、すなわち『法論の形而上学的基礎論』は、従来カント哲学研究によって『純粋理性批判』や『実践理性批判』において樹立された超越論的哲学ないし批判哲学とは矛盾するもの、またカントの老衰の作であると否定的に評価されていた。
しかし、果してそれは真に正しい評価なのか?
最新のドイツ・カント哲学研究を精査し無窮の問いに挑む。カントの『法論』、法哲学の現代的意義を解明する大作が遂に刊行。
本書での課題はカントの批判的法哲学の解明である。
カント法哲学は、その体系的位置づけに関して言えば、従来カント哲学研究によって『純粋理性批判』や『実践理性批判』において樹立された超越論的哲学ないし批判哲学とは矛盾するものであると否定的に評価され、また、注目される機会もきわめて少なかった。カント法哲学は批判哲学体系の中で周辺的な役割しか与えられなかったのである。
しかし、その評価は正当なものであろうか。
新カント学派によって構想された批判的法哲学ないし純粋法学ではなく、カント自身の「批判的法哲学」を解明しその現代的意義を構築するとともに、その復権を試みる。
過去のものとなったとされる新カント学派の法哲学の欠陥およびその積極的意義をあらためて問い直し、今日の法哲学研究に対する示唆を提示する大作。
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