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浄土真宗において最も親しまれ、さらに真宗教義の肝要が凝縮された「正信偈」を近代教学の立場から、希代の名布教家が説く。お寺で一般の方々に向かって説いた42回の講話をまとめた、「正信偈」講話の決定版とも言える一冊。
本書『正信偈の講話』は、昭和六年、暁烏敏五十四歳の時のものである。正月から春の彼岸会まで、自坊の行事や村のお講などで折にふれて語られた法話の記録である。「正信偈」の一句一句が順に説き明かされながら、敏の講話の常として、必ずしも学問的にこだわることはなく、しかし決して俗な話に流されることはない。経文の奥へ奥へと分け入りながら、村のお年寄りに分かり易いような譬え話あり、時事もあり、自らの思い出もある。その、臨機応変の中で何か与えられる深さと魅力は、今に至るまでおそらく何人も比肩し得ないものではなかろうか。(あとがきより)
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