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2014年6月の労働安全衛生法の一部改正によるストレスチェックの義務化が2015年12月より開始されたことにより、企業でのこころの健康対応は活発になりつつあるが、ストレスチェックを導入するといっても、何から手をつければいいのかわからない場合もあるだろう。
中小企業のメンタルヘルスには、ストレスチェックだけではなく、職場での精神疾患への対応、復職時の対応、主治医の探し方、など、さまざまなものが含まれる。本書では、事例や図を含めつつ、中小企業の人事担当者・社労士の方など、いままでメンタルヘルスについて触れたことのない素人の方が読んでもわかりやすい本になるように、それぞれの項目を解説した。
大きな柱であるストレスチェックには3つの目的がある。①一次予防(メンタルヘルス不調リスクの低減)、②高ストレス者への医師による面接指導の勧奨(高ストレス者を早期発見し、医師による面接指導を奨めることで働く人々のメンタルヘルス不調を未然に防止していく。ストレスの程度が高くない方にも、セルフケアに関する情報提供や相談窓口の紹介を行う)、③ストレスチェックを契機とした職場環境への取り組み(事業者側が職場のストレス要因を把握して職場環境の改善をはかり、ストレス要因そのものを低減させる)。
人にとっての「労働」とは、とても長い時間を費やし、かつ生活には必要不可欠のものである。本書をきっかけとして労働者にとって少しでも働きやすい職場になるように、また労働者のポテンシャルが最大限に発揮されることにより、会社全体の雰囲気も向上する、という正のスパイラルに繋がる一冊である。
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