金銀でかなわぬものは、命だけ――あらゆる欲に取り巻かれた新興町人たちの、おかしくもどこか悲しい群像劇。まじめ過ぎる商人、ドラ息子、度を越したケチたちが、人生の何たるかを教えてくれる。井原西鶴が貞享五年(1688)四十七歳で遺した、この町人物の大傑作にして蓄財指南の書は、江戸時代を通してベストセラーとなる。
親譲りの始末屋があっさり色に溺れ、越後屋が現金掛け値なしの新ビジネスを始め、大借金をして勘当を喰らった二代目は物乞いに説教され――。
その才覚や商魂、あるいは始末倹約で分限者への道を切り開く者。怠惰や驕慢、あるいは贅を尽くした遊興でわかりやすく破産へと転げ落ちる者。好運に恵まれる者、不運に苛まれる者。元禄の世を迎えんとする日本では、発達する貨幣経済のなかで苦闘し、我が身の浮き沈みに翻弄される人々のドラマが繰り広げられていた。金銀でかなわぬものは、命だけ――あらゆる欲に取り巻かれた新興町人たちの、おかしくもどこか悲しい群像劇。まじめ過ぎる商人、ドラ息子、度を越したケチたちが、人生の何たるかを教えてくれる。井原西鶴が貞享五年(1688)四十七歳で遺した、この町人物の大傑作にして蓄財指南の書は、江戸時代を通してベストセラーとなる。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。