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「草屋根の家」の美しい姿を追い続けた画家が、古きよき民家を求めて北海道から九州まで日本各地を旅して出会った風土や人々。「民家の向井」と呼ばれた画家、向井潤吉は「二十世紀」と同時に生まれ、戦後の高度成長と並行して活躍した。誰もが新しさを求め、古いものを壊し捨てた時代に、独り「日本美」を画面に定着させようしたようにみえる。絵画制作のかたわらに綴ったエッセイの数々は、草屋根の民家の絵とともに、かつて日本人がもっていた豊かさを知ることのできる貴重なドキュメントとなっている。
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