取り寄せ不可
◆第一句集
夏怒濤ピアノの蓋のあいてをり
句集『ピアノの蓋』は、着実に研鑚を重ねてきた滋子さんの満を持しての第一句集である。二十五年前のあのうぶな瞳の輝きは今も健在であるが、一瞬を掬い取る眼力、表現力は逞しくなった。
まだまだ未来は長い。俳句があれば何よりの生きる力となってくれることだろう。
(序より・村上喜代子)
◆自選十句
椿落つ大地に印を押すごとく
蟇父を永らへさせ給へ
鬼やんま死しても空を飛ぶかたち
先に眼を逸らせしは吾檻の鷹
夏怒濤ピアノの蓋のあいてをり
滝しぶき一枚岩を耀かす
月今宵九十七の母端座
まなうらに一瞬の火車雪が降る
的中の矢の熱からむ麦の秋
柞原月のひかりのひらりひらり
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