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時は明治。銀座は南紺屋町に「静修館」という古いけれど居心地の良い下宿屋がある。若者が多く住むこの下宿屋を取り仕切る大家は、料理をはじめ家事万端を見事にこなす梨木桃介だ。その働きぶりの前では、小説家の仙道湧水も我が儘を封印し、居住まいを正して下宿している。しかし静修館にはなにかと謎が持ち込まれ、「先生なら助けてあげられるかもしれないね」という桃介の一言に湧水は奔走する羽目になるのだった。連作短編集。
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