月の兎

月の兎

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出版社
ふらんす堂
著者名
高橋悦男(俳人)
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2018年8月
判型
四六判
ISBN
9784781410838

◆第七句集

次の生は月の兎にならめやも



子供の頃、月には兎がいて満月の夜になると餅をついている、と教えられた。満月を見るとたしかに黒い影があり、餅をついているように見えた。その月に住みたいというのが、私の夢であり、ロマンである。

(著者)



◆自選十五句より

初日出づ天の岩戸を押し上げて

土手焼く火己れ蝕みつつ進む

並び落つ春の谺の夫婦滝

一日生き一日老いて枇杷すする

引く鳥に未練の羽音ありにけり

涸滝の一縷の水のあきらかに

覗き込む顔押し上げて泉湧く

目に見えぬものを映して水澄めり

満開の風の牡丹となりにけり

木の実独楽影も回りてゐたりけり

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