子どもと創る「国語の授業」 No.61(2018)

特集:子どもの思考が働く「学習課題」

子どもと創る「国語の授業」

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出版社
東洋館出版社
著者名
全国国語授業研究会 , 筑波大学附属小学校国語研究部
価格
794円(本体722円+税)
発行年月
2018年8月
判型
B5
ISBN
9784491035659

<提起文より>
?子どもの思考が働く学習課題とは、子どもの中に「学びたいこと」「知りたいこと」「解決したいこと」が強く自覚され、目的意識が共有され、活動プロセスの中でいかに子どもが自分の問題として受け止め考えているか、頭が動いているか、何を学んでいるか、つかんだものが本質的なものに変わっていっているかといった、主体的で探究的なものだと考える。

 では、どんな学習課題がよいのだろう。その条件として、〇子どもの知的好奇心を刺激し、子ども自身が、問いの意識をもって主体的に取り組めるような課題、〇思考活動が設定できるもので、子どもの思考がアクティブになるような課題、〇子どもの思考のズレ、判断のズレが全体の共通した問いになり、解決したいという必然性が生まれてくるような課題、〇身に付けさせたい力が具体的ではっきりしている課題などが考えられる。

 新学習指導要領「第1章総則 第3教育課程の実施と学習評価 1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(6)」には、「児童自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど、児童の興味・関心を生かした自主的・自発的な学習が促されるよう工夫すること」と明記されている。新たに記載された学習課題の意義を考えたい。また、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」といった活動領域の内容が、構造と内容の把握、精査・解釈、考えの形成、表現といった言語活動の過程を意識して再構成され、今回の改訂で学習過程が一層明確になり、各指導事項が位置づけられている。3領域の学習過程の流れこそ大きくは変わっていないが、3領域のどれにも言えることは、「~づくりをしよう」「~を書こう」という目的意識が最初に共有され自覚され、子どもがゴールイメージをもっていても、それが単なる活動で終わることなく、活動するそのプロセスの中で第2の課題が生まれたり、子どもの意識や思考がより深まったり活性化したりするような学習課題、汎用的な力をつける学習課題が必要だということである。紙芝居や作文が書ければいいではなく、書き上げるその途中で何を学び、そこにどんな思考が働いたかというプロセスを大切にしたい。子どもの方からこんなふうに話そう、こんなふうに書こうといった思考が生まれてくるような課題でありたい。うわべだけでとどまらない、子どもの思考が働く学習課題とは・・

 本号では、子どもの思考を揺さぶり考えたくなる学習課題とは何か、また、そのための教師の役割は何か、具体的な子どもの姿をもとに論じていただく。

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