極楽と地獄の観念はなにに根ざすのか。平安時代中期の僧・源信(942-1017)が極楽往生にまつわる重要な要素を集成した『往生要集』は、「極楽」と「地獄」の概念を明示し日本浄土教の基礎を築いた日本仏教史上最重要の仏教書である。川崎庸之、秋山虔、土田直鎮の三碩学が平易な現代語訳として甦らせた本格的決定版の文庫化。(原本:『日本の名著 第4巻 源信』中央公論社刊、1972年所収『往生要集』)
極楽と地獄。多くの日本人に浸透するこの観念は、そもそもなにに根ざすのでしょうか。
平安時代中期、「末法の世」に惑う人びとに死後の往生の方法を説くために、僧・源信(942-1017)が、膨大な経典・論疏から極楽往生にまつわる重要な要素を集成しまとめたものが『往生要集』です。
源信は同書で「極楽」と「地獄」の概念を具体的かつわかりやすく示し、死後の極楽往生のために一心に仏を想う念仏の重要性を説きます。その教えは同時代の貴族・庶民に受け入れられ日本浄土教の基礎となるとともに、文学や思想にまで影響を与え、後代の日本人に深く影響を与え続けています。
本書は川崎庸之、秋山虔、土田直鎮の三碩学が学問的精緻さを駆使し、日本仏教史上、最重要とされるこの仏教書を平易な現代語訳として甦らせました。さらに巻末に添えられた解説「源信の生涯と思想」は『往生要集』の世界のより深い理解を助けます。
浄土への道を学ぶうえで必読の書『往生要集』、本格的決定版と呼べる名著の文庫化です。
(原本:『日本の名著 第4巻 源信』中央公論社刊、1972年所収『往生要集』)
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