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戦前、「国策」として進められた中国東北部「満洲」への移民では、全国各地から32万余の移民者が海を渡った。終戦時の移住者27万人のうち約8万人は、二度と故国の土を踏むことはできなかった。長野県内でも、村や地域単位の「分村・分郷」移民によって全国最多の移民を送出したが、これを、自らの信念に基づいて拒否した村長がいた。下伊那郡大下条村(現・阿南町)の村長・佐々木忠綱。国策遂行を迫られた忠綱が下した決断は、もし進めていたら避けられなかった敗戦に伴う悲惨な犠牲から、多くの村民を救うことにつながった。
忠綱の存在と決断は徐々に知られてきたが、「拒否」という行動は記録に残りにくく、何が忠綱をそうさせたのか、また、具体的にどう行動したのか、実態はあまり知られてこなかった。本書では、忠綱本人や家族、周辺の貴重な証言や、役場に残る会議記録など、限られた史料を積み重ねることで「拒否」の実態に迫る一方、忠綱を動かした「学び」への強いこだわりや、それを起点とする地域の礎づくりなど、生き方や信念浮かび上がらせる。
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