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「脱北者」の三人には、亡命の過程で家族を失うという共通点があった。
ウォンギルはモンゴル砂漠で力尽きた妻を見捨てて娘を背負って逃げてきた。
トンベクは国境を越える直前に家族全員が目の前で公安警察に捕まるが、自分だけ助かった。
ヨンナムは別ルートで脱出した家族が中国で行方不明、人身売買グループの手に渡ったらしい。
やがてオリンピックの選手村建設予定地で、朝鮮戦争にさかのぼる大量の人骨が出土した……。
経済至上主義のなかで、脱北者たちのささやかな倫理感が崩れ落ちていく。北朝鮮出身の両親をもつ作家が韓国社会を凝視し、衝撃を放った小説。
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