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すべてが壊れゆく前に
生成変化を言祝いだドゥルーズは、一方で思考と観念の崩壊、つまりカオスを恐れた。すべてが壊れ不可逆な破局を迎える手前でとどまるための、ほんの少しの秩序、少しばかりのコツを探ること、それこそがドゥルーズ哲学全体を貫く「秘密の一貫性」であった。本書では、これまで前景化されることのなかったこの問いを全面化し、ドゥルーズ哲学全体を体系的に読解するとともに、敵とされてきた精神分析、現象学との理論的交錯を描きだす。人が生まれ、老い、死んでゆく、敗北を余儀なくされた闘いのなかの絶望と希望、哲学的な問いを人生の問いへと昇華させる、俊英の渾身作ついに刊行。
「ドゥルーズは、そのキャリアの過程で、自身がカオスと呼ぶものをめぐって、何らかの態度変更とでも呼びうるものを行ったのだろうか。彼は、若き日に肯定した生や経験の創造性を、老年において放棄し、むしろ私たち――とりわけ他ならぬ彼自身――を保護する秩序を希求するようになったのだろうか。これは哲学研究上の問いであると同時に、人生をめぐる問いでもある。それゆえ、単純な肯定でも、単純な否定でも、答えにならないだろう。私たちは、この問いを入り口にして、この哲学者の人生に思いを馳せながら、しかしあくまで哲学研究として、本書をはじめることにしたい。」(本書より)
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