アメリカ経済成長の終焉 下

アメリカ経済成長の終焉

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出版社
日経BP
著者名
ロバート・J・ゴードン , 高遠裕子 , 山岡由美
価格
4,180円(本体3,800円+税)
発行年月
2018年7月
判型
B6
ISBN
9784822255770

「私が本書でもっとも衝撃を受けた章は、翻訳で「1920年代から50年代の大躍進:何が奇跡を起こしたのか?」と題された第16章である。1920年代までの技術革新がマクロ経済レベルで生産性を飛躍的に高める契機となったのが、何と1929年より始まった大恐慌と1940年代前半の大戦だったというのである。ゴードン教授は、こうした大恐慌と大戦の影響は、戦後の1970年まで米国の生産性を持続的に向上させてきたと主張している。
 ここで衝撃というのは、私を含めて多くの経済学者が、大恐慌や戦時経済を大きな負の供給ショックと捉えて、生産性向上の深刻な阻害要因と解釈してきたからである。確かに、大恐慌を契機に実施されたニューディール政策や莫大な戦争支出は、ケインズ経済学的な意味で経済刺激効果を生み出してきたが、それは、供給面ではなく、需要面を通じた効果とされてきた。それが、ゴードン教授によると大恐慌と大戦によって米国経済の供給サイドが飛躍的に改善されたというのであるから、私たちが持っていた常識を根底から覆す主張ということになる。」
 ーー齊藤誠一橋大学教授の解説から


アメリカの生産性と経済成長に関する議論を一変させる傑作である。ロバート・ゴードンは、1870年以降、驚異的なペースでアメリカ人の生活が向上したことを時系列で描きつつ、それを可能にした大発明の恩恵は一回限りのもので、繰り返すことができないのではないか、という根本的な疑問を提起する。具体的で詳細な記述と効果的で明晰な経済分析を組み合わせることで、ゴードンは説得力ある主張を展開している。経済史の金字塔である。
――ケネス・ロゴフ、『国家は破綻する』の共著者

本書は重要な書であると同時に心をかき乱される書でもある。ゴードンは、経済成長の黄金期は終わった、との説得力ある主張を展開する。経済成長の未来を憂う者は、ゴードンの議論を慎重に検討する必要があろう。
――ローレンス・サマーズ、ハーヴァード大学

ケインズは、「長期的には、われわれはみな死んでいる」と言って、経済のトレンドに対する懸念を問題にしなかった。ゴードンは、長期的にわれわれはみな先人の遺産を受け継いでいることを思い出させ、この見方をひっくり返す。将来世代への遺産に関心があるなら、アメリカの経済成長の特別な世紀について豊かな筆致で描かれた本書は必読である。――ポール・ローマー、ニューヨーク大学

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