自然を「元来の姿」に戻そうとしてきた自然保護活動。外来種を徹底的に駆除、手つかずの自然から人間を遠ざけ、人工物を撤去……。しかし、それで本当に、地球の自然が守れるのか? 著者は「手つかずの自然こそ至高、自然を元の姿に戻すべき」というこの価値観が、じつはアメリカでつくり出された「カルト」であり、科学的にも、費用対効果からも、実現不可能な幻想であると、世界各地の実例から示していく。
自然を「かくあるべし」と限定してきた過去の自然保護のあり方を批判し、自然をもっと多面的なものととらえ直して、多様な現実的目標設定の下で自然を創り出す「多自然ガーデニング」を提案する。
◎内容より
・外来種が在来種より優れている場合がある
・「本来の生態系は安定している」というのは幻想
・「手つかずの自然」への崇拝は米国で生まれた
・「過去の自然」を取り戻すのが不可能な理由
・米・豪の先住民も大量絶滅を引き起こした
・北米にライオンや象を導入する再野生化計画
・温暖化から植物を守るため、人の手で北へ移植
・人々が考える「川」は、実は人工物である
・「教義」から自由になり始めた生態学者たち
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