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日本中世はその精神性を措いては理解できない。熊野巡礼、修験神楽、法華経注釈、天皇の即位灌頂……神仏習合の多彩な展開を一次資料から徹底的に解読し、そこに心身と世界のドラスティックな変革=「変成(へんじょう)」という壮大な宗教運動を見出した渾身作。中世という激動の新世界、その遠大な闇と強烈な光に、日本随一の宗教思想史研究者が迫る!
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「第一幕の舞台は、熊野街道中辺路。主人公は熊野詣の道者たち。
第二幕の舞台は、奥三河の山里、夜の神楽宿。演者は還暦を過ぎた老人たち。
第三幕の舞台は、深い海の底と南方無垢世界。主人公は八歳の龍女と水に棲む異類たち。
第四幕第一場は、宮中の高御座(たかみくら)。主人公は即位したばかりの天皇。第二場は、伊勢神宮・外宮。演者は神宮の可憐な童巫女。そして主人公のペルソナとしての金色の狐。
中世の混沌世界から生まれた、「変身」を主題とする四つのドラマ。
これらを貫く運動とは何か? またそれを影で操っていた存在とは――?」
――「プロローグ」より
此岸と彼岸、現実と非現実、神と仏の境界と習合、そして変成の謎にせまる。
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