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太平洋戦争で最も無謀だったといわれるインパール作戦。
昭和19年3月、ビルマから英軍の拠点があったインド北東部・インパールの攻略を目指した日本軍は、この作戦で歴史的敗北を喫した。
「インパールの悲劇」は〝日本の東条〟とビルマの〝小東条〟牟田口廉也の握手から始まった――史実に基づいた考証と冷静な筆致と気迫で、涙と憤りなしでは読めない、第一級の戦記文学を復刊!
「何しろわしは、支那事変の導火線になったあの盧溝橋の一発当時、連隊長をしていたんでね。支那事変最初の指揮官だったわしには、大東亜戦争の最後の指揮官でなければばらん責任がある。やるよ、今度のインパールは五十日で陥してみせる」
功名心に気負いたつ軍司令官・牟田口中将の下、いたずらに死んでいった人間の無念。
敗戦後は部下に責任転嫁し、事実の歪曲を押し通した軍人を許すまじ!
本書はその実相を書き、牟田口廉也批判の口火を切った『イムパール』に、著者自ら大幅な改訂を加えた文庫決定版。
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