20世紀(民国期)の上海、17、18世紀(清代)の揚州、明末清初の南京など中国近世の都市で繰り広げられる社会生活のディティールを描き出す。近代上海の都市の読み物(『点石斎画報』『良友画報』)、18世紀の都市や農村で流行った情歌(『白雪遺音』『霓裳続譜』)、明清の士大夫の詩詞や戯曲、札記(『桃花扇』『燕子箋』『板橋雑記』『陶庵夢憶』「李姫伝」『池北偶談』『随園軼事』)などの細かい資料によって、本書が明示する、政治的伝統や礼教に隠れた士大夫の逸楽や宗教への信仰、庶民の情欲などの記述は、中国人の日常生活の中身を見直す際の参考となるであろう。
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