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東日本大震災によって被災地域の人々が失ったものは、
人のいのち、住まい、仕事、日々の暮らしだけではありません。
「地域のつながり」もまた、そうでした。
震災後の仮設住宅暮らしは地域を分断し、復興の遅れは、多くの人の離村を招きました。中には、戻りたくても戻れずに亡くなる人もいました。
それでも、とぎれかけた人と人・集落のつながりを取り戻そうという動きが出あります。
そのひとつが「盆野球」です。震災前までずっと続いていた、お盆のイベント、岩手県釜石市鵜住居地区の「盆野球」。鵜住居地区は、津波で、ほとんどの住宅が流されてしまった地区です。
この地区の盆野球の復活を描いたのが、この絵本です。
お盆は、亡くなられた方がたを迎えるとき。
復活した盆野球は、震災で亡くなったひとたちと、いまを生きているものとの交信の場でもあるのです。それぞれのひとが、大切な人と一緒に白球を追う。それが、盆野球なのです。
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