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青木周蔵(1844-1914)は、明治期の外交史・政治史の分野における重要人物として研究対象に掲げられてきた。本書は医者の後継者として生まれた周蔵が、青少年期にどのような学習をして自己形成をしてきたか、その修学履歴に着目する。周蔵の修学過程は四期に区分される。第一期は、寺子屋に通って読み書きを習う段階。第二期は、漢方医書を読むために漢学を学ぶ時期。第三期は、萩城下における蘭学の修業時代。第四期は、長崎での修学の時期である。周蔵は長崎遊学中に留学国としてドイツを選択し、ベルリン大学に学籍登録した最初の日本人留学生のひとりである。近代国家ドイツでの修学の基盤は、渡航する前の修学によって形成されたのであった。本書はこうした観点から、周蔵の渡独前の修学過程をあとづける。青木周蔵研究において、これまで未開拓であった一次史料を使用し、青木周蔵自伝に見られる虚構と空隙を補うために不可欠な研究資料である。
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