中国で近年とくに力を入れている「情報化戦争」。これは世論戦、心理戦、法律戦を内包した世界的な「情報優勢」を確立しようという政策である。本書は中国の進める情報管理政策を現状から目標に至るまで専門家が総括的に分析した基本的図書である。
本書は、結論として、情報と将来戦に関する中国の進化する見解についていくつかの考えを示している。米国に対する政策の影響についてその焦点を当てているが、これらの検討事項の多くは日本にも当てはまる。中国は、日本を米国の同盟国としてだけでなく、さらにそれ自体で東アジア沿岸地域に対する影響力と支配力の主要な競争相手とみなしている。実際、中国の国家と軍の指導者が彼らの「核心的利益」を確保しようとしており、日本が中国と接近した位置にあることは中国との対立はほとんど避けられないことを意味している。日本にとっては、米国と同様に、あらゆるレベルで情報を活用する能力は、伝統的な軍事的な安全保障だけではなく、経済安全保障と将来の包括的国力の発展にも影響を及ぼす可能性がある。中国は、この点で日米両国(および多くの国々)との競争に自信を持っている。中国のアプローチと見解を理解することは、日米両国政府だけではなく企業や社会にとって有効な対応策を策定するために不可欠である。 2018年5月 ディーン・チェン ――――本書「日本語版への序文」より
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