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いざやゆかん さすらひて
薬屋敷の沙良
人形芝居の梢
巡礼行脚の千芹
三人の娘たちがさすらいの日々で求めたものは―
「漂泊」や「さすらひ」の語は、いかにも魅惑的です。
一所に常住せず、風の吹くままにさすらい歩く境涯は、
行路に斃れて野ざらしとなる不穏を抱きつつも、
束縛されない自由さと刻々の新鮮な驚きで人を引きつけてやみません。
日本にも古くから漂泊の暮らしを受け継いできた人々がいました。
さまざまな芸能集団や木地屋、薬売り、さらに山窩と呼称された人たち。
『さすらひ人綺譚』は、磐城国・岩代国、下野国を舞台に繰り広げられる、
さすらい人たちの不思議な物語です。
―著者
目次
蛇姫
鬼子母人形館
芹沢薄明
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