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日常生活において、「季節」の存在がとても重要だと感じることがよくあります。たとえば、今年のソメイヨシノの開花は記録的に早かったのですが、そのニュースが連日報道されていたのは記憶に新しいところです。「桜前線」という季節の知らせに気が急いて、仕事が手につかず、お花見の準備に追われた方も多かったことでしょう。
桜に限らず「植物」は、人が季節を感じる要素の中でももっとも重要な位置を占めています。室内の鉢植えや庭の草木の開花、街路樹の青葉、夏山の緑、山寺の紅葉、冬木立、あるいは八百屋やスーパーの店先に並ぶ初物に、人は新しい季節の訪れを感じます。このような植物たちの表情が、われわれに季節を伝え、生活に潤いと幸福感をもたらしてくれます。
本書では五〇種の身近な植物を採り上げ、その魅力を綴りました。それらの植物にまつわる私の五〇年間の思い出を縦糸に、そして各々の植物に関して蓄積された多くの知見(植物学、農学、地理学、歴史学、文学など)を横糸にして、布を織り上げるような気持ちで書き上げました。一方、挿画は、透明感のある水彩で描くことにより、その植物の醸し出す風情【ふぜい】が的確に表現されています。さらに写真も添えましたので、ちょっとした図鑑の役割も果たせるのではないかと思います。
早春のウメ、春のアセビ、梅雨時のホタルブクロ、夏のシロウリ、秋のダリア、そして冬のサザンカなどがみなさんをお待ちしております。植物に興味のある方はもちろん、俳句などの文学に興味のある方、生け花を楽しんでおられる方、気分転換にエッセイを読んでみたい方、雑学が好きな方などなど、たくさんの方々に読んでいただければ幸いです。
本書で植物の力を再確認していただくことで、ご自身、周りの人たち、社会、そして地球環境までもが幸福になるきっかけができれば、うれしいかぎりです。(まつもと・ひとし)
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